胃潰瘍
胃潰瘍は、胃の粘膜が深く傷つき、組織の一部が欠損してしまう病気です。本来、胃は強い酸(胃酸)から自分自身を守る仕組みを持っていますが、何らかの理由でそのバランスが崩れると、自らの胃酸によって胃の壁が消化されてしまいます。上腹部の痛みや不快感といった症状が現れ、放置すると出血や穿孔(胃に穴が開くこと)といった深刻な事態を招く恐れがあります。
当院は、川崎駅東口より徒歩1分の場所にあり、お仕事帰りや休日でも受診しやすいよう夕方から夜、土日祝祭日も開院しております。お腹の痛みや違和感を覚えながらも、忙しくてなかなか受診できないという方のために、私たちは初期医療の最前線として寄り添った診療を心がけています。胃の不調を感じたら、我慢せずにまずは一度当院へご相談ください。丁寧なカウンセリングと適切な診断で、健やかな毎日を取り戻すお手伝いをいたします。
胃潰瘍の症状について
胃潰瘍の症状は、病状の進行度や個人差によって多岐にわたります。最も代表的な症状はみぞおちの痛みです。胃潰瘍の場合、特に食事中から食後にかけて痛みが生じやすいという特徴があります。これは、食事によって分泌された胃酸が、潰瘍によって剥き出しになった粘膜を刺激するためです。
痛みのほかにも、胃のあたりの不快感や重苦しい感じ、頻繁な胸焼け、酸っぱいものが込み上げてくる呑酸(どんさん)といった症状が見られることもあります。また、胃の機能が低下することで、食欲不振や胃もたれ、吐き気を感じることも少なくありません。
症状の詳細については「腹痛」のページも参照してください。腹痛以外にも注意すべき重要なサインとして、以下のものが挙げられます。
出血に伴う症状
胃潰瘍が悪化して血管が傷つくと、消化管内で出血が起こります。この場合、以下のような特有の症状が現れます。
- タール便(黒い便)・・胃で出血した血液が酸化して黒くなり、炭のような便が出ること。
- 吐血(とけつ)・・コーヒーの残りかすのような黒褐色のものを吐く、あるいは鮮血を吐くこと。
- 貧血症状・・慢性的な出血により、立ちくらみや息切れ、強いだるさを感じること。
重症化した場合の症状
潰瘍が胃の壁を突き抜けてしまう穿孔(せんこう)が起きると、激しい腹痛に襲われます。この状態は非常に危険で、一刻を争う処置が必要になります。急激に痛みが強まった場合や、お腹が板のように硬くなるほどの痛みがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
胃潰瘍の原因について
胃の内部では、食べ物を消化するための強力な攻撃因子である胃酸と、胃の粘膜を保護するための防御因子である粘液が常にバランスを保っています。このバランスが崩れ、攻撃因子が優位になったときに胃潰瘍が発生します。主な原因は大きく分けて以下の4つです。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)
日本人の胃潰瘍患者さんの多くに認められるのが、ピロリ菌への感染です。この菌は胃の粘膜に棲みつき、毒素を出すことで慢性的な炎症を引き起こします。炎症が続くと胃の防御機能が低下し、胃酸の影響を受けやすくなって潰瘍が形成されます。ピロリ菌については「慢性胃炎」のページでも触れていますが、除菌治療を行うことが再発防止に極めて有効です。
NSAIDs(エヌセイズ)による薬剤性潰瘍
痛み止めや解熱剤として広く使われるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、胃潰瘍を引き起こす主要な原因の一つです。これらの薬は痛みを抑える一方で、胃粘膜を保護する成分の合成を阻害する副作用があります。腰痛や関節痛、頭痛などのために長期間痛み止めを服用している方は、特に注意が必要です。また、血液をサラサラにする薬(アスピリンなど)もリスクを高めることが知られています。
ストレスの影響
強い精神的ストレスや過労は、自律神経の乱れを引き起こします。自律神経が乱れると、胃の血流が悪くなったり、胃酸が過剰に分泌されたりするため、胃の粘膜がダメージを受けやすくなります。現代社会においてストレス管理は重要な予防策と言えます。当院では夜間や休日も開院しておりますので、お仕事などでストレスを抱えやすい方も、ご都合に合わせて相談にお越しいただけます。
生活習慣の乱れ
不規則な食生活や嗜好品も、胃潰瘍の発症に深く関わっています。具体的には以下の要因が挙げられます。
- 喫煙・・胃の血流を悪化させ、粘膜の修復機能を低下させます。
- アルコール・・高濃度のアルコールは胃の粘膜を直接刺激して傷つけます。
- 刺激物の過剰摂取・・香辛料やカフェインの摂りすぎは胃酸分泌を促進します。
これら生活習慣の影響については「生活習慣病」のページも併せてご覧ください。
胃潰瘍の病気の種類について
胃潰瘍は、その発症の仕方や進行度合いによっていくつかの種類に分類されます。医師は検査結果に基づいて、どのタイプに該当するかを判断し、適切な治療方針を決定します。
急性胃潰瘍(AGU)
急激に発症するタイプで、強い痛みや出血を伴うことが多いのが特徴です。強い精神的ストレス、過度の飲酒、薬剤の服用などが引き金となります。適切な処置を行えば比較的速やかに改善しますが、放置すると出血多量などのリスクがあります。
慢性胃潰瘍
ピロリ菌の感染などが原因で、胃の粘膜が長期間にわたって炎症を起こし、潰瘍が繰り返される状態です。自覚症状がそれほど強くない場合もあり、気づかないうちに病状が進んでいることもあります。治ったと思っても再発しやすいため、根本的な原因の解決が求められます。
出血性胃潰瘍
潰瘍の部分から血管が露出したり破れたりして、出血を起こしている状態です。吐血や下血が見られる場合、緊急の内視鏡的止血術が必要になることがあります。当院では看護師による医療相談も行っておりますので、便が黒いなどの不安なサインがあれば、すぐにお問い合わせください。
難治性胃潰瘍
一般的な薬物療法を数ヶ月続けても、なかなか治癒に至らない潰瘍を指します。背景に隠れた重い疾患や、禁煙・禁酒などの生活指導が守られていないこと、あるいは薬の服用が不規則であることなどが原因として考えられます。
胃潰瘍の治療法について
現在の胃潰瘍治療は、薬物療法が中心となります。非常に優れた薬が開発されており、多くの患者さんが手術をすることなく完治を目指せるようになっています。当院では、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療計画をご提案します。
薬物療法(攻撃因子の抑制)
過剰な胃酸の分泌を強力に抑えるお薬を使用します。これにより、胃の粘膜が酸に晒されるのを防ぎ、修復を促します。主に使用されるのは以下の薬剤です。
- PPI(プロトンポンプ阻害薬)・・胃酸を作る最後のステップをブロックする、強力な抑制薬です。
- P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)・・より速やかに、かつ持続的に胃酸を抑える比較的新しいタイプのお薬です。
- H2ブロッカー・・胃酸分泌の司令塔に作用し、分泌を抑えます。
薬物療法(防御因子の増強)
胃の粘膜を保護する力を高めるお薬を併用します。胃の血流を改善したり、粘液の分泌を増やしたりすることで、胃の自浄作用を助けます。これらのお薬を組み合わせることで、効率的に潰瘍を治していきます。
ピロリ菌の除菌治療
検査でピロリ菌の陽性が確認された場合、除菌治療を検討します。除菌は、2種類の抗菌薬と1種類の胃酸抑制薬を7日間服用する治療法です。除菌に成功すると、胃潰瘍の再発率は劇的に低下します。将来的な胃がんのリスクを減らすためにも非常に重要なステップです。
生活指導と食事療法
お薬の服用と並行して、生活習慣の見直しが不可欠です。胃に負担をかけない生活を心がけることが、早期治癒への近道となります。当院では以下のような指導を行っています。
- 食事・・消化の良いものをよく噛んで食べ、腹八分目を心がけます。
- 嗜好品・・治療期間中の禁煙と節酒を推奨しています。
- 睡眠・・十分な休息を取り、自律神経の安定を図ります。
なお、定期的な体の状態把握のために、「健康診断」のページも参考に、ご自身の健康状態をチェックする習慣をつけましょう。
胃潰瘍についてのよくある質問
Q1. 胃潰瘍はストレスだけでなりますか?
A1. ストレスは大きな原因の一つですが、それ単独で潰瘍ができることは稀です。多くの場合、ピロリ菌の感染や痛み止めの服用などの要因があるところに、ストレスが加わって発症します。複合的な要因が絡んでいることが多いので、全体的な診断が必要です。
Q2. 胃が痛くなくても胃潰瘍の可能性はありますか?
A2. はい、あります。特にご高齢の方や特定の薬剤を服用している方では、痛みを感じにくい場合があります。痛みがないまま出血が進み、貧血やふらつきで受診して胃潰瘍が見つかるケースも少なくありません。違和感があれば早めの受診をお勧めします。
Q3. 食事で気をつけることは何ですか?
A3. 胃酸を多く出す脂っこいもの、甘すぎるもの、香辛料などの刺激物を控えましょう。また、よく噛んでゆっくり食べることで胃の負担を減らすことができます。夜遅い時間の食事も、寝ている間の胃酸分泌を促すため、できるだけ避けるのが理想的です。
Q4. 胃潰瘍が胃がんになることはありますか?
A4. 胃潰瘍そのものががん化することはありません。しかし、胃潰瘍の原因であるピロリ菌は胃がんのリスク因子でもあります。また、胃がんと胃潰瘍は症状が似ており、見た目だけで判断するのが難しいため、内視鏡検査などでしっかり確認することが大切です。
Q5. 仕事が忙しく、通院を続けられるか不安です?
A5. 私たち、ゆざわ日航ビル診療所は川崎駅東口より徒歩1分という立地にあり、夕方から夜、土日祝祭日も開院しています。お仕事のスケジュールに合わせて受診時間を調整しやすい環境を整えておりますので、無理なく治療を継続していただけます。
院長より
胃潰瘍の痛みは、日常生活の質を著しく下げてしまうものです。しかし、現代の医療では適切にお薬を服用することで、多くの場合痛みは速やかに治まり、潰瘍もきれいに治癒させることが可能です。当院では、胃潰瘍の治療において単に薬を出すだけでなく、その背景にあるピロリ菌の影響や生活習慣、ストレスなどにも目を向け、根本的な改善を目指しています。
特に川崎駅周辺で働く皆様や、お忙しい生活を送られている方々にとって、平日の日中に時間を取るのは大変なことでしょう。私たちは皆様の初期医療の最前線として、夜間や土日の診療を通じて、いつでも安心して相談できる窓口でありたいと考えています。看護師による医療相談も踏まえ、お一人おひとりの不安に丁寧にお応えいたします。
胃の痛みや不快感は、体が発しているSOSかもしれません。少しでも気になる症状があれば、放置せずにまずはお問い合わせください。皆様が美味しく食事を楽しみ、快適な毎日を過ごせるよう、全力を尽くしてサポートさせていただきます。ゆざわ日航ビル診療所で、皆様の来院をお待ちしております。
