慢性胃炎
慢性胃炎は、胃の粘膜に長期間にわたって炎症が続く状態を指します。当院、ゆざわ日航ビル診療所は川崎駅東口より徒歩1分の場所にあり、日々多くの患者さんの胃腸のトラブルに向き合っています。慢性胃炎の多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染や、食生活の乱れ、ストレス、お薬の副作用などが重なり合って起こります。放置すると胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎へ進行し、将来的な胃がんのリスク(発症に関わる要因)を高めることもあります。私たちは消化器内科として、お一人おひとりの症状を丁寧に伺い、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。胃の不快感が続く方は、どうぞお気軽にご相談ください。
慢性胃炎の症状について
慢性胃炎の症状は多岐にわたり、人によって感じ方が大きく異なります。また、炎症があっても自覚症状がほとんどない場合もあり、健康診断で指摘されて初めて気づく方も少なくありません。臨床現場でよく見られる主な症状をご紹介します。
胃もたれと腹部膨満感
食後、いつまでも胃の中に食べ物が残っているような重苦しい感覚を抱くことがあります。これは、慢性的な炎症によって胃の動き(蠕動運動)が低下し、食べ物を十二指腸へ送り出す力が弱まっているために起こります。少しの食事ですぐにお腹がいっぱいになる早期飽満感(そうきほうまんかん)を訴える患者さんも多くいらっしゃいます。
みぞおちの痛みや不快感
空腹時や食後に、みぞおち(心窩部)が重苦しく痛むことがあります。鋭い痛みというよりは、持続的な「しくしく」とした痛みとして表現されることが多いのが特徴です。お腹の痛み全般に関心がある方は、こちらのページも参考にしてください。
腹痛の症状や考えられる原因については「腹痛」のページを参照してください。
その他の消化器症状
慢性胃炎では、胃酸のバランスが崩れることで以下のような症状が現れることもあります。複数の症状が重なることも珍しくありません。
- 吐き気やむかつき
- げっぷが頻繁に出る
- 胸焼け(胃酸の逆流感)
- 食欲不振
- 口の中が苦く感じる
慢性胃炎の原因について
慢性胃炎が起こる背景には、胃粘膜を攻撃する因子と、守る因子のバランスの崩れがあります。現代社会において、その原因は一つに絞れないことも多いのが実情です。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
慢性胃炎の最大の原因とされるのがピロリ菌です。この細菌は胃の強い酸の中でも生き残ることができ、胃の粘膜に住み着いて毒素を出し続けます。長年の感染により粘膜が徐々に壊され、慢性的な炎症が固定化してしまいます。日本の高齢世代に多い萎縮性胃炎のほとんどは、このピロリ菌が関与していると考えられています。
薬剤による影響(NSAIDsなど)
痛み止めとして広く使われる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、胃の粘膜を保護する成分の生成を抑えてしまう副作用があります。頭痛や風邪の際に服用する市販の鎮痛剤でも、長期的に使用すると胃炎を引き起こすことがあります。
風邪薬の服用による胃の不調が気になる方は「風邪」のページも併せてご覧ください。また、痛み止めを頻繁に使用する方は「頭痛」のページも確認しておきましょう。
不規則なライフスタイルと刺激物
日々の生活習慣が胃粘膜への負担となっているケースも臨床ではよく拝見します。特に以下の要素が重なると、胃の修復機能が追いつかなくなります。
- 過度な飲酒(アルコールによる粘膜の直接的な刺激)
- 喫煙(血管を収縮させ、粘膜の血流を悪化させる)
- 香辛料やコーヒーなど刺激物の摂りすぎ
- 早食いや食べ過ぎ、不規則な食事時間
心理的・身体的ストレス
胃は「心の鏡」とも呼ばれるほど、自律神経の影響を強く受けます。強いストレスを感じると自律神経が乱れ、胃酸が過剰に出たり、胃の血流が悪くなったりします。これが繰り返されることで、胃の粘膜が慢性的にダメージを受け続けることになります。
慢性胃炎の病気の種類について
慢性胃炎は、内視鏡検査(胃カメラ)などで観察される粘膜の状態によって、いくつかのタイプに分類されます。ご自身の診断名がどれに当たるかを知ることは、適切なケアへの第一歩です。
表層性胃炎(ひょうそうせいがいえん)
胃の粘膜の表面にだけ炎症が起きている状態です。内視鏡で見ると、粘膜が赤くなっていたり、白っぽい粘液が付着していたりします。慢性胃炎の初期段階で見られることが多く、適切な休息や生活習慣の改善、お薬による治療で症状が改善しやすいタイプです。
萎縮性胃炎(いしゅくせいがいえん)
長引く炎症によって胃の粘膜が薄くなり、下にある血管が透けて見えるほどになった状態です。胃酸や消化酵素を出す分泌腺が消失していくため、消化機能そのものが低下します。ピロリ菌感染が原因であることが多く、胃がんの発生母地(発生しやすい場所)となるため、定期的な経過観察が極めて重要です。
肥厚性胃炎(ひこうせいがいえん)
粘膜のヒダが異常に太く、盛り上がってしまうタイプです。場合によっては「巨大皺襞(きょだいしゅうへき)」と呼ばれ、特殊な病態(メネトリエ病など)との判別が必要になることもあります。胃酸が過剰に出やすい傾向にある方に多く見られます。
びらん性胃炎
粘膜の表面がわずかに削れた「びらん」が多発している状態です。お酒の飲み過ぎやストレス、薬剤の影響で急激に悪化することもあります。放置すると傷が深くなり、胃潰瘍へ進展する恐れがあります。
胃の粘膜が深くえぐれてしまった状態については「胃潰瘍」のページを詳しく参照してください。
慢性胃炎の治療法について
治療の目的は、今ある不快な症状を抑えることと、将来的な合併症を防ぐことの二段構えで行います。ゆざわ日航ビル診療所では、患者さんのライフスタイルに合わせた治療計画をご提案します。
ピロリ菌の除菌療法
検査でピロリ菌の陽性が確認された場合、最も根本的な治療となるのが除菌です。2種類の抗生剤と1種類の胃酸分泌抑制薬を7日間服用します。除菌に成功すると胃の炎症が改善し、将来的な胃がんのリスクを下げることが期待できます。副作用として下痢や味覚の違和感が出ることがありますが、多くは一時的なものです。
お薬による対症療法
症状に合わせて、以下のようなお薬を組み合わせて処方します。症状が落ち着いている状態である「寛解(かんかい)」を目指し、段階的に調整していきます。
- 胃酸分泌抑制薬(PPIやH2ブロッカー)・・胃酸の出過ぎを抑え、粘膜への刺激を減らします。
- 消化管運動改善薬・・胃の動きを活発にし、胃もたれや膨満感を改善します。
- 粘膜保護薬・・胃の表面をバリアのように覆い、修復を助けます。
- 漢方薬・・体質(証)に合わせて、胃腸の調子を整えるために使用することがあります。
生活習慣の改善(食事療法)
お薬の力を最大限に引き出すためには、胃に優しい生活が不可欠です。当院では以下の点をご提案しています。生活習慣病全般の管理についてもサポートしておりますので、気になる方はご相談ください。
健康的な生活習慣の維持については「生活習慣病」のページも参照してください。
- 規則正しい時間に食事を摂る(寝る前の食事は避ける)
- 1回の食事量を控えめにし、よく噛んで食べる
- 塩分の高いものや揚げ物、刺激の強い香辛料を控える
- アルコールやカフェイン、喫煙を控える
- 十分な睡眠をとり、ストレスを溜め込まないようにする
慢性胃炎についてのよくある質問
Q1. 胃カメラを受けないと診断はできませんか?
A1. 症状から慢性胃炎を推測することは可能ですが、確実な診断のためには内視鏡検査(胃カメラ)が推奨されます。内視鏡では粘膜の状態を直接確認でき、胃潰瘍や胃がんなど他の重要な病気が隠れていないかを否定(病気ではないと判断)できるからです。当院でも、適切な検査の必要性について丁寧にご説明いたします。
Q2. ピロリ菌を除菌すれば、もう胃カメラは不要ですか?
A2. いいえ、除菌後も定期的な検査は必要です。除菌に成功しても、それまでにダメージを受けた胃粘膜のリスクがゼロになるわけではありません。特に萎縮性胃炎が進んでいる方は、除菌後も年に1回程度の定期的な内視鏡検査を受けることが、早期発見のために極めて重要です。
Q3. 市販の胃薬を飲み続けても大丈夫ですか?
A3. 一時的な症状緩和には有効ですが、長期間常用するのはお勧めできません。症状が隠されてしまい、背後にある深刻な病気の発見が遅れる可能性があるからです。2週間以上症状が続く場合は、一度医療機関を受診して、適切な診断を受けるようにしてください。
Q4. 慢性胃炎は完治しますか?
A4. 原因によりますが、ピロリ菌除菌や生活習慣の改善によって、炎症を大幅に抑え、症状のない健康的な状態を維持することは十分に可能です。ただし、一度萎縮が進んだ粘膜が完全に元の状態に戻るには長い時間がかかるため、定期的なケアと「胃をいたわる生活」を継続していくことが大切です。
院長より
慢性胃炎は、現代人にとって非常に身近な病気ですが「いつものことだから」と我慢してしまいがちな疾患でもあります。しかし、日々のちょっとした胃の不快感は、体からの大切なサインかもしれません。ゆざわ日航ビル診療所では、皆様の初期医療の最前線として、こうした日常的な不調に真摯に向き合っています。川崎駅東口から徒歩1分という便利な立地に加え、夕方から夜、そして土日祝祭日も開院しております。お仕事でお忙しい方や、平日になかなか時間が取れない方も、ご自身の都合に合わせて受診いただける体制を整えております。
当院では消化器内科の診療だけでなく、看護師による医療相談も踏まえたきめ細やかな診療を心がけています。胃の痛みや不快感の原因を一つひとつ紐解き、お薬の処方だけでなく、生活習慣のアドバイスを含めた総合的なアプローチで、皆様の健やかな食生活をサポートいたします。また、当院は健康診断や職員検診にも力を入れており、早期発見・早期治療を大切にしています。少しでも「胃の調子がおかしいな」と感じたら、一人で悩まずにまずはお問い合わせください。皆様のかかりつけ診療所として、安心を感じていただける医療を提供してまいります。
また、もし胃の不調に加えて、睡眠時のいびきや日中の強い眠気などを感じておられる場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性もあります。当院では自宅での簡易検査やその後の加療までトータルでサポートしておりますので、併せてご相談いただくことも可能です。あらゆる内科的視点から、皆様の健康管理(ヘルスプラン)のお手伝いをさせていただきます。川崎駅周辺で胃の不調にお悩みの方は、どうぞ安心して当診療所へお越しください。
睡眠に関するお悩みがある方は「睡眠時無呼吸外来」のページもご参照ください。
